◇はじめに

 ソウルメイトは魂の伴侶と約される。時代を越え国境を越えて人生を共に分かち合う運命の人である。前世からの絆で結ばれる関係であるという意味で生まれ変わり、つまり転生輪廻を前提とした概念である。このソウメイトという言葉がいつ頃から使われていたか私は知らないが、この言葉が世界中で一般的に使われるようになったのはブライアン・ワイス博士の『魂の伴侶ーソウルメイト』という本が出版されてからであることは間違いないだろう。この本の内容はのちに紹介する。
 ワイス博士は催眠療法によって人の心の傷を癒やす催眠療法の仕事をしているが、それによって生まれかわりの事実を確信するとともに人はその人生を共に織りなす、かけがえのないパートナーがいることに気づく。人はその個々の人生で偶然に結婚相手(伴侶)を決めているのではないのである。まさしく時代を越え国境を越えて時には男性、時には女性として様々な人生を共に過ごす特定のパートナーがいるのである。そしてそれは必ずしも結婚という形をとることもないようだ。時には家族(親、兄弟)として、時には友人として、時には師として、その人生で学ぶべき課題に応じて役目を替えながら人生をおくっていくというのである。
 ある人はソウルメイトは運命の人なのだから出会えば必ず直感的にわかるという。相手に対し心の奥底からの愛情を感じるというのだ。だが果たしてそうだろうか。これはある種の特殊な能力にすぎないのではないかと私は考えている。私の経験でしかないが、世間では結婚した相手との出会いは「最初は何も感じなかった」という意見も多々あるからである。ある男性は色々出会った女性でこの人と結婚するかも知れないと唯一思わなかった女性と結婚したというのである。人は生まれてくるときにすべての記憶をしまい込む。人は忘れっぽいのである。
 ソウルメイト程ではないが、人生を共に生きる特定の集団(グループ)、例えば親、兄弟、友人をソウルフレンドというらしい。人によってはソウルファミリー(魂の家族)と呼ぶ。エドガーケイシーのリーディングで過去世で20人程の魂が集団でこの世に同じ地域に生まれてきたという例があったが、これがそうであろう。又ソウルメイトとは逆に人生において敵対する関係にある人物をソウルエネミーと呼ぶこともあるようだ。だが私はこの考えに納得していない。敵対する関係も又必要だから行われているわけでこれも大きな視点から見ればソウルメイトではないだろうか。
 では、個々のソウルメイトの物語を紹介していこう。